フトアゴヒゲトカゲの温度と湿度 | 生息地オーストラリアの気候

フトアゴヒゲトカゲの温度と湿度 | 生息地オーストラリアの気候

フトアゴヒゲトカゲはオーストラリアの暑い環境に生息するため、飼育ケージ内の温度管理は飼育者の使命です。

飼育ケージ内の温度はフトアゴヒゲトカゲの日常活動や健康状態に直結するため確かに重要ではありますが、湿度管理も同じく重要なのはご存知でしょうか?

実際に我が家で飼育していたフトアゴヒゲトカゲが不調な時期に、湿度を見直すことで改善された経験があります。

ギドラ氏

ぬぬぬ!?

そこでこの記事ではフトアゴヒゲトカゲの温度(気温)と湿度について詳しく解説します。

目次

フトアゴヒゲトカゲにとって温度と湿度が重要な理由

フトアゴヒゲトカゲ温度と湿度

海外ではフトアゴヒゲトカゲの飼育方法が確立されていて、飼育下での温度と湿度に関するガイドラインがあります。

そのため初心者でも飼いやすい爬虫類として日本でも人気がありますが、不適切な飼育環境が原因で短命に終わるフトアゴヒゲトカゲも多いです。

そこでまずは、フトアゴヒゲトカゲにとって温度と湿度が重要な理由について解説します。

温度の重要性

フトアゴヒゲトカゲは変温動物のため、日光浴によって体温調節します。

体温調節はフトアゴヒゲトカゲの食欲促進や消化などの日常活動だけでなく、概日リズム(睡眠と起床のサイクル)の調整や創傷治癒・ウィルス感染・寄生虫・脱皮など健康面にも幅広く影響します。

そのため飼育ケージ内はフトアゴヒゲトカゲに適した温度に保つ必要があります。

湿度の重要性

フトアゴヒゲトカゲは高温で乾燥した環境に生息するため、湿度にはあまり気を使わなくていいと思われがちですがこれは大きな間違いです。

湿度不足や湿度過多はフトアゴヒゲトカゲに深刻な健康上のリスクを引きおこします。

低湿度がもたらすリスク高湿度がもたらすリスク
脱水症状
脱皮不全
腎疾患
尿路疾患 など
皮膚疾患
細菌感染症
真菌性疾患
呼吸器疾患 など

継続的な湿度不足が原因の脱水症状はまざまな病気の引き金になるケースが多いため、飼育ケージ内の湿度管理には十分気をつける必要があります。

フトアゴヒゲトカゲの生息地と気候

フトアゴヒゲトカゲが生息するオーストラリア

飼育下での温度と湿度に関するガイドラインは、フトアゴヒゲトカゲが生息する地域の気候をもとに定められています。

そこでより理解を深めるために、フトアゴヒゲトカゲの生息地と気候について解説します。

フトアゴヒゲトカゲの生息地

この地図はフトアゴヒゲトカゲが生息するエリアを示したものです。

一部例外もあるようですが、主にオーストラリア中央部〜南東部(ノーザンテリトリー・クイーンズランド・南オーストラリア・ニューサウスウェールズ・ビクトリア)あたりにフトアゴヒゲトカゲは生息しています。

オーストリアの気候帯

この地図はオーストラリア政府気象局のデータをもとに、オーストラリアの気候帯とフトアゴヒゲトカゲの生息地を重ねたものです。

これをみると、フトアゴヒゲトカゲはオーストラリアの砂漠気候〜草原気候地帯に生息していることがわかります。

生息エリア内でも気候に差がありますが、広範囲を占める砂漠気候地帯の気候をもとに温度・湿度の推奨設定が決められていると考えられます。

温度と湿度の推奨設定は研究者やブリーダーによって誤差はあるものの、概ね一致しています。

フトアゴヒゲトカゲが生息する地域の気温

それではフトアゴヒゲトカゲが生息する砂漠気候〜草原気候地帯の温度について調べてみましょう。

より正確な気温を調べるため、オーストラリア政府気象局が発表している過去30年間の平均データを引用します。

1月(夏)の気温

夏の最高気温
1月の平均最高気温:約33〜39℃
夏の最低気温
1月の平均最低気温:約15〜24℃

こちらはオーストラリアの1月の平均最高気温平均最低気温を示した地図に、フトアゴヒゲトカゲの生息地を重ねたものです。

オーストラリアの1月は夏にあたりますが、フトアゴヒゲトカゲが生息する地域の最高気温は約33〜39℃となっています。

とくに砂漠気候地帯はより高温になる傾向にあり、日によって40℃を超え真夏はかなり過酷な環境です。

また最低気温は約15〜24℃と、昼と夜の寒暖差が激しいのがわかります。

8月(冬)の気温

冬の最高気温
8月の平均最高気温:約15〜27℃
冬の最低気温
8月の平均最低気温:約3〜9℃

こちらはオーストラリアの8月の平均最高気温平均最低気温を示した地図に、フトアゴヒゲトカゲの生息地を重ねたものです。

オーストラリアの8月は冬にあたりますが、最高気温は約15〜27℃と日本の冬に比べて日中は暖かく過ごしやすい気候になっています。

しかし最低気温は約3〜9℃と、夜間はかなり冷え込むようです。

フトアゴヒゲトカゲが生息する地域の湿度

次にフトアゴヒゲトカゲが生息する砂漠気候〜草原気候地帯の湿度について調べてみましょう。

湿度は相対湿度を意味します。

年間平均湿度

午前9時の平均相対湿度
午前9時の年間平均湿度:約40〜70%
午後3時の平均相対湿度
午後3時の年間平均湿度:約30〜40%

こちらはオーストラリアの午前9時午後3時の年間平均湿度を示した地図に、フトアゴヒゲトカゲの生息地を重ねたものです。

午前に比べて午後のほうが湿度が下がっているのがわかります。

つまり、気温が下がる夜間よりも気温が上がる日中のほうが乾燥するということがわかります。

夏(1月)の湿度

夏の午前9時の平均湿度
夏の午前9時の平均湿度:約40〜60%
夏の午後3時の平均湿度
夏の午後3時の平均湿度:約20〜30%

こちらはオーストラリアの1月の午前9時午後3時の平均湿度を示した地図に、フトアゴヒゲトカゲの生息地を重ねたものです。

年間平均湿度と比較すると夏は日中の湿度が10%程度低くなるのがわかります。

冬(8月)の湿度

冬の午前9時の平均湿度
冬の午前9時の平均湿度:約40〜80%
冬の午後3時の平均湿度
冬の午後3時の平均湿度:約20〜60%

こちらはオーストラリアの8月の午前9時午後3時の平均湿度を示した地図に、フトアゴヒゲトカゲの生息地を重ねたものです。

年間平均湿度と大差はありませんが、日中の湿度はやや地域差が広がっています。

フトアゴヒゲトカゲの温度(気温)の推奨設定

バスキングスポット42〜45℃(表面温度)
温度(気温)勾配22〜37℃
夜間の温度20〜25℃

温度管理でとくに重要なのが、バスキングスポットの表面温度温度(気温)勾配です。

バスキングスポットの表面温度

フトアゴヒゲトカゲが日光浴をするバスキングスポットは、ホットスポットとも呼ばれていて飼育ケージ内でもっとも高温になる場所です。

フトアゴヒゲトカゲの日中の適正体温である36.3℃まで体を温めるためには、バスキングスポットの表面温度を42〜45℃くらいまで上げる必要があります。

バスキングスポットの温度が低いと十分に消化できず吐き戻しや消化不良に繋がるため、「サーモチェッカー」で測りながらバスキングライトのワット数や照射距離で調節しましょう。

バスキングスポットには天然石や流木など温まりやすいものを置き、「バスキングライト」や「メタハラ」などを照射して温めます。

「バスキングライト」の場合は斜めに照射することでバスキングスポット内にも温度勾配をつけることができ、より快適な環境を作ることができます。

フトアゴヒゲトカゲは体温が十分に温まるとバスキングスポットから離れますが、これは温度が適正な証拠です。

逆にずっとバスキングスポットにいるようであれば温度不足の可能性があるので、表面温度を測って調整してください。

日光浴(バスキング)についてもっと詳しく知りたい人は「フトアゴヒゲトカゲの日光浴(バスキング)」をご覧ください。

温度(気温)勾配

飼育ケージ内の温度勾配は22〜37℃が理想的です。

バスキングスポットがある側を高温部(37℃)、その反対を低温部(22℃)として気温がグラデーションになるように調節しましょう。

もしフトアゴヒゲトカゲがシェルターや飼育ケージの低温部で地面をカキカキと掘るような行動をしている場合、暑くて逃げ場を探している可能性があります。

夏場は低温部分を22℃まで下げるのはなかなか難しいですが、最低でも25℃くらいまでは下げておきましょう。

夜間の温度

夜間は20〜25℃が目安になります。

冬場に20℃よりも下回りそうであれば保温球などで保温する必要がありますが、健康的なフトアゴヒゲトカゲで日中にしっかりとバスキングできていれば多少下回るくらいなら問題ありません。

ベビーや体調を崩しているフトアゴヒゲトカゲの場合は、25℃くらいを保つようにしておくと安心です。

しかし夜間温度が15℃を下回ってしまうと冬眠モードに突入してしまうので、「保温球」や「暖突」などで保温しましょう。

発光する保温球を使用すると睡眠を妨げる恐れがあるので、発光が少ない保温球や「セラミックヒーター」がおすすめです。

フトアゴヒゲトカゲの湿度の推奨設定

日中30〜40%
夜間40〜60%

飼育ケージ内の湿度は日中30〜40%、夜間40〜60%を目安に調整しましょう。

しっかりと湿度が保てていれば、日中はバスキングスポット周辺の湿度が下がり自然と湿度勾配がつきます。

夜間は日中よりも湿度を上げます。というか、気温の低下とともに自然に湿度も上がります。

野生下のフトアゴヒゲトカゲが寝床にしているような岩の隙間や土のなかは高湿度を保っていると考えられるため、飼育下でもシェルター内はなるべく湿度を保ちましょう。

湿度管理をするうえで厄介なのが、湿度が上がる梅雨〜夏乾燥する冬です。

梅雨〜夏の除湿方法

日本は梅雨〜夏にかけてとても湿度が上がるため、環境によっては飼育ケージ内を除湿する必要があります。

エアコン・除湿機を使う

もっとも簡単で確実に除湿する方法は、飼育ケージを設置している部屋のエアコン(冷房・ドライ)や除湿機を稼働する方法です。

もちろん電気代はかかりますが、これが1番手っ取り早いのでおすすめです。

我が家では梅雨〜夏前くらいまではCORONAの「どこでもクーラー」で除湿しています。

電気代も安くエアコンと違い温度は下がらないので、湿度だけを効率よく下げることができます。

部屋全体の湿度を下げれば飼育ケージ内の湿度も下がりますが、ガラスケージだとなかなか湿度が下がらないこともあります。

通気口(換気口)を増やす

木製ケージの側面通気口(換気口)
木製ケージの側面メッシュ

飼育ケージが木製ケージなどのように加工が可能な場合、通気口(換気口)を増やすことで湿気を外に逃しやすくなります。

木製ケージの丸型通気口(換気口)

我が家では自作した木製ケージを使用していますが、できるだけ多くの通気口を設けています。

飼育ケージの換気力の高さは衛生上のメリットも大きいので、木製ケージを自作するときはできる限り換気能力の高い設計をお勧めします。

PCファンを使う

換気用のPCファン

飼育ケージの天面(メッシュの上)にパソコン用のファンを置いて回すことで、湿気を外に逃すことができます。

加工ができないガラスケージでも有効な手段なので、湿度管理に苦戦している人はぜひ試してください。

ちなみに冬場は飼育ケージ内の上部に暖かい空気がたまるため、ファンを反対向きすることで飼育ケージ内の空気を循環させて効率よく保温することができます。

冬の加湿方法

日本では1〜2月がとても乾燥しやすくなるため、環境によっては飼育ケージ内を加湿する必要があります。

加湿機を使う

もっとも簡単で確実に加湿する方法は、飼育ケージを設置している部屋全体を加湿機で加湿する方法です。

部屋全体ではなく飼育ケージ周辺だけの加湿でも効果的です。

水入れを大きくする

飼育ケージ内の水入れは意外と湿度を上げることができます。

もし設置スペースに余裕があれば、ひと回り大きい水入れを使用して水面の面積を広げてみましょう。

濡れタオルを天面に置く

飼育ケージ上部のメッシュに固く絞った濡れタオルを乗せる方法もおすすめです。

ひどく乾燥しているときにはかなり効果的ですが、湿度が上がりすぎることもあるので要注意。

水分補給も重要

継続的な湿度不足は脱水症状を引きおこしますが、脱水症状には水分の摂取量も影響します。

湿度管理だけでは予防しきれない場合もあるので、「フトアゴヒゲトカゲの水分補給 | 脱水症状を防ぐために知っておきたいこと」を参考に必要に応じて水分補給もしてあげましょう。

温度計・湿度計の選び方と設置方法

飼育ケージ内の温度・湿度計

飼育ケージ内の温度と湿度を測定するために、温度計湿度計を設置します。

アナログとデジタルはどちらも一長一短ですが、個人的にはデジタルのほうがわかりやすくておすすめです。

我が家で使用している温度計はニチドウの「マルチ水温計」です。

温度計の設置場所は飼育ケージの中温部と低温部です。

低温部には「タイマーサーモ」の温度計を設置し、設定温度より下回ると自動で保温が開始されます。

高温部に温度計は設置せず、バスキングスポットの表面温度だけサーモチェッカーで測定しています。

湿度計は飼育ケージの中央部に設置します。

ニチドウ「マルチ湿・温度計」のように温度と湿度を同時に測定できるものがおすすめです。

まとめ

フトアゴヒゲトカゲを飼育するうえで温度と湿度の管理はとても重要です。

幸いガイドラインは充実していますが、うまくコントロールできるかどうかは飼育者にかかっています。

この記事を参考に飼育ケージ内を最適化し、フトアゴヒゲトカゲが健康に長生きできる飼育環境を整えましょう。

フトアゴヒゲトカゲについてもっと詳しく知りたい人は「フトアゴヒゲトカゲの飼育方法 | 爬虫類初心者も安心の飼い方ガイド」をご覧ください。

爬虫類の飼育方法は古い情報や1部のソースのみを鵜呑みにせず、幅広く情報を集めて自分なりに飼育方法をアップデートしていきましょう。
※この記事の内容も日々アップデートしていくのでブックマークをおすすめします。

爬虫類の木製ケージ製作 | ホビイストガレージ
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