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フトアゴヒゲトカゲのアームウェービング | 彼らが手を振る4つの意味
おもしろ動画番組などで定期的に話題になる手を振るトカゲの動画。まるで挨拶をしているような姿が可愛いと話題になります。
あのトカゲの正体はフトアゴヒゲトカゲなのですが、なぜ手を振っているのかご存じでしょうか?
飼い主にとしては手を振る姿がとても可愛くて見れると嬉しいのですが、実はフトアゴヒゲトカゲにとってはあまりよい心理状況ではない場合があるんです。
4つ意味がある!
そこでこの記事ではフトアゴヒゲトカゲのアームウェービングについて詳しく解説します。
フトアゴヒゲトカゲのアームウェービングとは?
フトアゴヒゲトカゲがゆっくりと手を回す行動をアームウェービングと呼びます。
アームウェービングにはフトアゴヒゲトカゲがもつ縄張り意識や上下関係などが大きく影響していて、何かしらの意思表示をしたいときに発動します。
ベビー〜ヤングアダルトのフトアゴヒゲトカゲによくみられますが、基本的には年齢・性別関係なくすべてのフトアゴヒゲトカゲにみられるごく一般的な行動です。
アームウェービングの種類
フトアゴヒゲトカゲのアームウェービングは4種類あり、それぞれ違った意思表示をしています。
- 降伏・服従
- 認識・警戒
- 不安・恐怖
- 交配時
どんなシチュエーションでアームウェービングをしているかによって、どんな意思表示をしているのかを推測することができます。
認識・警戒のアームウェービング
野生化のフトアゴヒゲトカゲは自分の縄張りをもっています。
自分の縄張りの近くほかのフトアゴヒゲトカゲや他種の動物の存在に気づくと、その相手に対して「あなたのことを認識しています」ということを伝えるためにアームウェービングが発動します。
しかしこれは決して挨拶のような好意的なものではなく、「そこにいるのはわかっている、私は敵ではないので何もしない、だからそれ以上私の縄張りに近寄るな」という警戒の意味も込められています。
近寄らないでね〜
飼育下では人間や犬・猫などのペットに対するアームウェービングはこれに該当するものが多く、掃除機やスリッパに対して発動することもあります。
爬虫類ショップで同じ飼育ケージ内で多頭販売されているベビーがよくアームウェービングをしていますが、これはお互いの存在を認めると同時に自分の縄張りを主張する意思も含まれています。
降伏・服従のアームウェービング
フトアゴヒゲトカゲ界には上下関係があります。
年齢・体の大きさ・性格など上下関係が決まる基準はさまざまですが、自分より相手のほうが上だと判断したときにアームウェービングが発動します。
とくにオス同士の縄張り争いで、ボビングしてくる相手に対して負けを認めたときによくみられます。
あなたには逆らいませんよ〜
フトアゴヒゲトカゲのボビングについては「フトアゴヒゲトカゲのボビング | 彼らがボビる3つの理由」で詳しく解説しています。
基本的に相手が同種であるフトアゴヒゲトカゲの場合に発動しますが、フトアゴヒゲトカゲのぬいぐるみや似たようなおもちゃなどを勘違いして発動するときもあります。
ベビー〜ヤングアダルトのフトアゴヒゲトカゲは自分よりも体の大きな相手に対してアームウェービングすることが多いのですが、成長して体が大きくなると立場が逆転することもあります。
不安・緊張のアームウェービング
フトアゴヒゲトカゲをお迎えしたときや飼育ケージのレイアウトを変えたときなど、飼育環境が大きく変化したときにアームウェービングが発動することがあります。
ここはどこ〜
慣れない環境への不安や緊張が原因のようですが、環境に慣れて自分の縄張りが定まり外敵がいないと判断するとアームウェービングはおさまります。
交配時のアームウェービング
自分の縄張り内に入ってきた発情期のオスに対して、メスのフトアゴヒゲトカゲが「交配の準備ができています」という意志を伝えるときに発動します。
OKです〜
生後12カ月以上の性成熟したメスのフトアゴヒゲトカゲ特有のアームウェービングです。
飼育下特有のアームウェービングに要注意
フトアゴヒゲトカゲがアームウェービングをする要因のなかには、野生下にはない飼育下にのみ存在するものもあります。
ガラスや鏡に映る自分の姿・ぬいぐるみ・おもちゃ・スリッパ・掃除機など
とくに飼育ケージのガラスに映る自分に対してアームウェービングをする姿はよく目撃されます。
フトアゴヒゲトカゲも環境に順応しいつの間にかしなくなることが多いですが、もし続くようであれば飼育ケージの設置場所やレイアウトを変えるなどして対策をしてあげましょう。
まとめ
フトアゴヒゲトカゲのアームウェービングは種として一般的な行動なので、とくに問題視する必要はありません。
しかし、アームウェービングには少なからずストレスがともなっていることが多いため、頻発するようであれば飼育環境の見直しをおすすめします。