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コオロギの繁殖方法 | 産卵床の作り方や孵化させるコツなど徹底解説
飼育している爬虫類が増えると餌用コオロギの消費が増えますが、ストックがなくなるたびに購入しているとなかなかの出費です。
なんとか節約できないかな…。
そんなときにおすすめなのがコオロギの自家繁殖です。
我が家でも以前からフタホシコオロギを自家繁殖しているのですが、かなり家計の助けになっています。
そこでこの記事では餌用コオロギを自家繁殖する方法について解説します。
コオロギ繁殖の4つのステップ
我が家でのコオロギ繁殖の手順は下記の通りです。
- 産卵床を作る
- 産卵させる
- 孵化させる
- 成長させる
それぞれのステップに押さえておきたいポイントがあるので順番に解説します。
コオロギの産卵床を作る
コオロギが卵を産む場所が産卵床です。
産卵床にはさまざまなタイプがありますが、ここでは我が家で実際に使用しているオリジナル産卵床の作り方を紹介します。
- 材料費が安い
- 誰でも作れる
- 虫がわかない
- メンテナンスが楽ちん
これまでさまざまな産卵床を作り試してきましたが、いまのところこれが最強です。
- タッパー(浅め)
- 赤玉土(硬質・小粒)
- カット綿
- 水
コオロギが自力で登れるような浅めのタッパーを用意します。
今回はダイソーのタッパーを使用しますが、なんでも大丈夫です。
タッパーに赤玉土を敷き詰めます。微塵が舞うのが気になる場合、あらかじめ水洗いしておきましょう。
赤玉土の種類は小粒で硬質のものがおすすめです。
我が家では多肉植物用にストックしているイワモトの硬質赤玉土「三本線」を使っています。
赤玉土はだいたい2/3程度敷き詰めればOK。
タッパーに赤玉土全体が浸かる程度の水を注ぎます。
カット綿は白十字の7.5cm×14.5cmサイズがおすすめです。
そこそこ厚みもありダイソーのタッパーにも使いやすいサイズ感です。
カット綿をタッパーのサイズにあわせてハサミで切ります。
カット綿を赤玉土全体に覆い被せます。
赤玉土の水分を吸収してカット綿全体が湿れば完成です。水分が足りないようであれば注水してください。
繁殖効率を上げるため産卵床は複数作っておくのがおすすめです。
コオロギに産卵させる
完成した産卵床は産卵可能な雌がいるコオロギのストックケースに入れるだけで次々と産卵してくれます。
そのまま放置でもOKですが、より効率よく繁殖するためのコツを解説します。
産卵床を入れ替える
コオロギのストックケースに産卵済みの産卵床を入れっぱなしにしておくと、せっかく産んだ卵が食べられてしまう可能性があります。
産卵床は複数作っておき、ある程度産卵が確認できたら新しい産卵床に入れ替えましょう。
産卵済みの産卵床は後述する孵化専用ケースで管理します。
産卵床を常に湿らせておく
産卵床が乾燥するとなかなか産卵してくれないため、表面のコットンが乾いてきたら赤玉土に注水し適度に表面を湿らせておく必要があります。
コットンの表面の小さな穴が産卵の証です。
孵化させる
産卵床に卵が確認できたら孵化させます。
基本的に放置していても孵化させることはできますが、確実に孵化させるためのコツを解説します。
孵化専用ケースを作る
卵や生まれてきたコオロギがアダルトコオロギに食べられないように、孵化専用ケースを作って産卵床を管理します。
我が家で使っているダイソーの昆虫用プラケースは、蓋がスライド式で開閉具合で温度や湿度を微調整できるのでおすすめです。
温度と湿度を調整する
孵化させるポイントは温度と湿度の管理です。
経験上、気温25℃〜30℃、湿度40%〜60%くらいが孵化しやすいと思います。
春・夏・秋は適当に放置してても勝手にワラワラ生まれてきますが、蓋の開閉で温度と湿度を微調整しています。
とくに梅雨〜夏はカビが発生しやすいので、湿度が60%を大きく超えるときは要注意。
カビが発生しても孵化には影響ありませんが、衛生的によくないので気をつけています。
冬はとても孵化しにくく、しっかり保温・保湿をしないとなかなか産まれてきません。
エアコンで室温を温めるか、暖突やパネルヒーターで孵化専用ケースを保温しつつ蓋を閉めて保湿します。
成長させる
温度と湿度が適切であれば産卵から10〜20日程度(冬は1カ月かかることも…)で孵化しはじめ、次から次へとミニマムコオロギが生まれてきます。
この孵化直後の管理がコオロギ繁殖においてもっとも難しい時期です。
餌入れと水入れ
幼齢コオロギは水切れに非常に弱いため、そろそろかなというタイミングになったら孵化専用ケースにあらかじめ餌入れと水入れを設置して受け入れ準備をします。
餌入れは小さなコオロギが登れるようなザラザラした素材のものを選び、コオロギフードなどを入れておきます。
溺死防止のため水入れには直接水を入れるのではなく、カット綿やキッチンペーパーなどを湿らせたものを設置します。
我が家では餌入れ・水入れともにジェックスの「ウォーターディッシュ(XS)」を使用しています。
スペースに余裕があればテラコッタ製の餌皿や小鳥タンクを改造した給水器もおすすめです。
小鳥タンクを改造した給水器の作り方は「コオロギ用給水器(自作水入れ)の作り方と使い方」で詳しく解説しています。
産まれたて(幼齢)専用飼育ケースを作る
孵化専用ケースのままではいずれ手狭になってしまうので、別に幼齢専用飼育ケースを作って幼齢コオロギを飼育します。
幼齢コオロギは乾燥にとても弱いため、湿度を適度に保てるように蓋つきの飼育ケースがおすすめです。
また広すぎると餌場や水飲み場にたどりつけずに死んでしまうので小さめのプラケースを選びましょう。
我が家では孵化専用ケースと同じダイソーの昆虫用プラケースを使用しています。
飼育ケース内に設置するものは餌入れ・水入れ・隠れ家の3つ。
餌入れと水入れは孵化専用ケースと同じものでも大丈夫ですが、隠れ家には注意が必要です。
コオロギの隠れ家といえば卵パックが定番ですが、幼齢コオロギは簡単に潰れてしまうので使用しないようにしましょう。
我が家では新聞紙やチラシを切り刻み、くしゃくしゃに丸めて隠れ家にしています。
数回脱皮を繰り返して2〜3令くらいまで成長すれば安心なので、あとは通常の飼育方法で問題ありません。
その後のコオロギの飼育方法は「餌用コオロギのストックケースの作り方と適切な飼育方法」で詳しく解説しています。
コオロギ繁殖のメリット・デメリット
最後にコオロギを自家繁殖していて感じるメリット・デメリットをお伝えします。
あくまで個人的な感想ですが、参考になれば幸いです。
メリット
節約できる
やはり1番のメリットはコオロギ代を節約できる点です。
飼育する爬虫類が多いほど節約できる金額も大きくなります。
我が家にはレオパ・フトアゴ・アメフクラガエルがいるので、かなり家計の助けになっています。
容易に繁殖できる
特殊な設備などは必要なく、100円ショップやホームセンターで手に入る物だけで繁殖が可能です。
初期費用もわずかで省スペースで繁殖できるため、初心者でも手軽に繁殖に挑戦できます。
デメリット
時間がかかる
コオロギ繁殖の1番のデメリットは産卵から孵化まで時間がかかるという点。
また、孵化してから必要とするサイズになるまで成長を待つ必要があるのも難点です。
サイズをキープできない
コオロギは日々成長するため、コオロギのサイズをキープすることはできません。
そのため常に給餌に必要なサイズのコオロギをストックし続けるためには、次から次へと繁殖し続ける必要があります。
繁殖に慣れると必要なサイズをストックし続けることも可能ですが、そこそこ経験が必要です。
ストック量の調節が難しい
コオロギの自家繁殖で難しいのが、ストック量の調節です。
晩春〜初秋はとくにコオロギを繁殖しやすい季節で、ものすごいペースで増殖していきます。
給餌とのバランスがとれればいいのですが、消費しきれなくなるとどんどんストックが増えていきます。
そうなると大変なのが、雄コオロギの鳴き声問題です。
体験すればわかりますが、本当に地獄です。
コオロギの鳴き声対策は「餌用コオロギの鳴き声がうるさいときの対策方法」で解説しているので、悲惨なことになる前にぜひご覧ください。
まとめ
今回紹介した繁殖方法はあくまで一例で、違う方法でも繁殖は可能です。
初心者でも容易に繁殖できるので、飼育する爬虫類が増えてきたらこの記事を参考にコオロギの自家繁殖に挑戦してみてください。