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ヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギの違い
爬虫類の生き餌として定番のコオロギは、主にヨーロッパイエコオロギ(以下イエコ)とフタホシコオロギ(以下フタホシ)の2種類が流通しています。
「見た目がゴキブリっぽい」という理由でフタホシではなくイエコをストックしていましたが、実際に飼育してみるとフタホシのほうがメリットがあったので、現在はフタホシへと完全移行しました。
実はこの2種類のコオロギ、けっこう違いがあるのをご存知でしょうか?
なにが違うん?
そこでこの記事ではヨーロッパイエコオロギとフタホシコオロギの違いについて詳しく解説します。
見た目の違い
こうして見比べると一目瞭然。イエコの体は薄茶色で心なしか可愛げがありますが、フタホシはほぼ黒に近い焦げ茶色で、ゴキブリ感が滲み出ています。
この見た目のゴキブリっぽさがいやでイエコを選ぶ人も多いようです。
大きさの違い
フタホシのほうがやや大きいです。というよりムッチリしています。
とくにフタホシのメスはかなりの貫禄で成長するほどゴキブリ感が増し、虫が苦手な人にとってはかなり強敵かもしれません。
実際に部屋に脱走したフタホシをゴキブリと間違えてビックリしたことがあります。
鳴き声の違い
鳴き声は声質に若干違いがあります。
イエコの鳴き声は高くさえずっている感じで、フタホシの鳴き声は太めで腹から鳴いている感じがします。
一般的にはフタホシのほうがうるさいといわれていますが、実際に部屋のなかで聞くとどっちもうるさいです。
コオロギが成長するにつれてその鳴き声は大きくなり、アダルトコオロギの鳴き声はかなりのストレスになります。
爬虫類の生き餌にコオロギを選ぶ宿命ともいえる鳴き声うるさい問題の解決方法は「餌用コオロギのうるさい鳴き声の対策方法」で詳しく解説しています。
必要とする水分量の違い
イエコは少量の水分しか必要としないため、水不足の過酷な環境でも生きぬくことができます。
フタホシは水分を多く必要とし、水不足の環境では生きていくのが難しいようです。
実際に飼育していてもやはりフタホシのほうが死にやすいと感じますが、適切な環境で飼育できればどちらもそう簡単に死滅することはありません。
もしバタバタと死んでいくようであれば、飼育環境や飼育方法を見直しましょう。
飼育ケースでコオロギが常に新鮮な水を飲めるようにしておく必要があります。そこで重要なのが給水器です。
「コオロギ用給水器(自作水入れ)の作り方と使い方」では最強の給水器の作り方を詳しく解説しています。
臭いの違い
フタホシのほうが臭くなりやすく、定期的にメンテナンスしないとかなりの悪臭を放ちます。
劣悪な環境のまま放置するとアンモニア中毒で全滅なんてことも。
フタホシに比べるとイエコの臭いは若干ましではありますが、それでもメンテナンスを怠ればやはり臭くなります。
コオロギの糞の臭いは与える餌に含まれるタンパク質によってかなり変わります。
我が家ではウサギ用ペレットを与えていますが、コオロギ用の餌を与えたときと比べてかなり臭いは軽減されました。
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丈夫さの違い
フタホシはかなり弱く、水分が不足するとすぐに弱ってしまいます。アンモニア中毒や感染症にもなりやすく、お世辞にも丈夫とはいえません。
ただし、適切な環境下で飼育すればフタホシもちゃんと長生します。
一方イエコは水分や栄養が多少不足しても長期間生き延びることができるタフさを持っています。
ジャンプ力の違い
圧倒的にイエコのほうが良く飛びます。
そのジャンプ力は幼い頃から凄まじく、高さの低い飼育ケースだと余裕で脱走します。
フタホシはあまりジャンプはしませんが、突然思い出したかのようにジャンプするのでビックリします。
動きの早さの違い
圧倒的にイエコのほうが素早く俊敏です。
動きが素早いうえにジャンプ力もあるため、捕まえるのも一苦労です。
フタホシは非常にのんびりとしていて、イエコに比べるととても簡単に捕まえることができます。
攻撃性の違い
フタホシのほうが肉食性が強く攻撃性が高いように感じますが、これには縄張りの広さが関係しているようです。
例えば狭いケース内で同じ数のイエコとフタホシをそれぞれ飼育した場合、明らかにフタホシのほうが喧嘩が多く共食いをします。
しかし広さに余裕のある飼育ケースで飼育すれば喧嘩も減り共食いもなくなります。
イエコ・フタホシともにタンパク質が不足するとより攻撃的になり共食いをしやすくなるようです。
栄養価の違い
下記表はイエコとフタホシの100gあたりの栄養素をまとめた表になります。
栄養素 | ヨーロッパイエコオロギ | フタホシコオロギ |
---|---|---|
エネルギー | 135kcal | 163kcal |
タンパク質 | 16.9g | 16.0g |
脂質 | 6.5g | 9.8g |
炭水化物 | 2.1g | 2.8g |
灰分 | 1.4g | 1.4g |
カルシウム | 45mg | 47mg |
目立つ違いはエネルギーと脂質。フタホシは高カロリー・高脂質で、イエコはややヘルシーといった感じでしょうか。
エネルギーと脂質は生体の肥満に関わってくるので、コオロギの種類によって与える量を調節するといいでしょう。
まとめ
比較項目 | ヨーロッパイエコオロギ | フタホシコオロギ |
---|---|---|
見た目 | 薄茶色 | 濃い焦げ茶色 |
大きさ | 小さい | 大きい※ムッチリしている |
鳴き声 | 『フタホシ』よりまし※でもうるさい | うるさい |
必要とする水分量 | 少ない | 多い |
臭い | 臭い | すごい臭い |
丈夫さ | 強い | 弱い |
ジャンプ力 | 高い | 低い |
動きの早さ | 素早い | のんびり※たまに本気出す |
攻撃性 | 環境による | 環境による |
栄養価 | 高カロリー・高脂質 | ややヘルシー |
イエコとフタホシをともに飼育してみて、我が家では現在フタホシをストックコオロギとして採用しています。
イエコの場合は給餌のときに捕まえるのも一苦労で一度逃げ出すと大変でしたが、フタホシはとても捕まえやすく非常に給餌が楽になりました。ただ、イエコに比べて高カロリー高脂質なので生体によっては与える量を控えめに調節しています。
どちらのコオロギをストックするにせよ、ストックケースは十分なスペースを確保し常に清潔な環境を保つことが重要です。
「餌用コオロギのストックケースの作り方と適切な飼育方法」ではコオロギのストックケース(飼育ケース)の作り方を解説しているのであわせてご覧ください。
餌として食べる生体の健康のためにも、面倒くさがらず適切な環境でコオロギをストックしましょう。